欧州財政懸念は衰えず、緊張続く
今週は月曜から欧州財政懸念が高まる一方、米国経済指標など比較的強い結果となりましたが、世界的な株安でFX(為替)市場は円やドルが買われ、クロス円が急落する展開でスタートとなりました。依然として、欧州財政問題に対する懸念が投資家の最大の関心事であり、リスク回避姿勢の根強さを確認する結果といえるでしょう。今週の注目材料として、6日(木曜)に開催される欧州中央銀行(ECB)定例理事会があります。トリシェ総裁の最後の理事会ということもありますが、マーケットでは現行の1.50%の据え置き予想が最も多く、利下げ予想では最大幅で50bpとなっています。欧州の財政問題に対する懸念を背景に利下げの可能性は残りますが、ユーロ圏の9月消費者物価指数(HICP:速報値)前年比が、8月の2.5%から予想外の3%上昇となり約3年ぶり(2008年10月以来)の高水準となりました。
ECBのインフレ率の誘導目標である2%未満をより拡大させた結果が、利下げ余地を小さくしています。万が一、ECBが50bpの利下げに踏み切った場合、短期的にユーロは売られる可能性が高いですが利下げ幅が25bpの場合では、最大利下げ予想幅50bpよりも利下げ幅が縮小したとの判断から、ユーロ売りは限定されると思われます。それでも欧州財政問題への懸念を背景とした投資家のリスク回避姿勢が強まる状況と絡めて、ドルや円が買われる一方でユーロが売られるため、EUR/JPYの急落の可能性があります。その場合は1EUR=100円を割り込む下落リスクは排除できません。
また欧州の財政問題について、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充に向けた全ユーロ圏加盟国の批准の進捗状況や、ギリシャ向け第1次支援の第6次融資と第2次支援の判断材料であるトロイカ調査団(EU、IMF、ECB)の報告など不安定な材料が残っています。EFSFの機能拡充の批准では、否決のリスクが高いスロバキアの採決が今月半ばに行われる予定であり、ギリシャ向け第6次融資でも3日開催したユーログループ財務相会合で決定の予定でありましたが、こちらも今月半ばにずれ込む予定となっています。ギリシャに対する第2次支援策については実施時期など全く決まっていません。欧州の財政問題への不透明感が強まれば、今後も投資家のセンチメントが改善する可能性は低いと思われます。今週7日の日銀の金融政策決定会合では比較的安定しているドル円相場を踏まえ、政策金利を据え置くと思われます。マーケットで1ドル=75円を試すような円高局面と株安が伴えば、日銀は資産買入れを拡大する用意があるとみられます。日本の介入は、過度の変動や無秩序の動きが経済見通しを悪化させる場合に限定されます。
米経済指標でも、7日の9月雇用統計が注目されています。市場予想では非農業部門雇用者数が5万人増(前回はゼロ)と小幅改善見通しですが、労働環境を安定させるには不十分な雇用創出ペースです(失業率の市場予想は前回同様の9.1%)。市場予想を多少上回る程度であれば、ドル買いは限定的と見ています。